2005年07月27日

ABT「ドン・キホーテ」

American Ballet Theatre 2005年日本公演の「ドン・キホーテ」を見てきた。
間際になってチケットを取ったのにもかかわらずD席(7000円)を確保できた。ちなみにS席は19000円、E席4000円はすでに完売…。安い席はあっという間に完売するのが常。

7000円出したとはいえ5階のバルコニー席。そんな天井が近い場所に座るのは生まれて初めて(^^;) 恐る恐る会場に行ったのだが一番中央に近いバルコニーのはじっこだったので、ちょっと身を乗り出せば舞台全部が見えた。背もたれにどっかり寄りかからなければ何の支障もない。
会場を見回すと当然のように1階2階席は満席状態だったけれど、4階バルコニーなどかなりの空席が目立った。

前回バレエを見たのは去年の1月31日。
レニングラード国立バレエでファルフ・ルジマトフがジゼルを踊ったもの。
すっかりオジサンのルジマトフがどんなアルブレヒトを踊るのかと思っていたら、びっくり。恋する若者そのもの。そして、スヴェトラーナ・ザハロワのジゼルがあまりにもかわいそうで泣けてしまった。
恋いに敗れて気が狂い(櫛を抜いてアップにしていた髪がバサリと崩れる瞬間がゾクッとさせられる)、精霊になってアルブレヒトの前で踊る少女の無念さはいかほどなのだろうか…と。
そんな劇的な感動を期待して再び上野文化会館に来た。

ドンキはセルパンデス原作の小説をバレエにアレンジしたもの。
王子や王女ではなく、庶民が登場するドタバタ的な楽しいバレエ。
宿屋の娘キトリと床屋のバジルの恋愛が、ドン・キホーテとサンチョ・パンサがやってきたことで発展していく。
キトリやバジルのバリエーションはローザンヌ国際バレエ・コンクールでもよく踊られているので何度も見たことがあったが、全幕通して見るのは初めて。

キャストの変更があって、バジル役ベルセロコフスキーのハンサムなお顔を拝めなくなったのはとても残念だったが(先週のガラ公演足を痛めたのだとか…)で、エルマン・コルネホのバジルもとてもよかった。しかも、踊り子メルセデス役のエリカ・コルネホは実のお姉さんだというではないの!

1幕はドン・キホーテが愛しい女神の姿を見るところから始まる。
「わしの美しく愛しい人!結婚してくれ!」というセリフが聞こえてきそうなマイムにくすっとさせられる。ドン・キホーテは従者サンチョ・パンサと村にやってくる。金持ち貴族ガマーシュに結婚を迫られているキトリを見て「わしの女神!」と勘違い。キトリの父親に結婚を許して欲しいと頼むが許してもらえないバジルは、闘牛士エスパーダと踊り子メルセデスの助けを借りてガマーシュとドン・キホーテの手からキトリを守って村を抜け出すまでのドタバタを描く。
2幕は逃げた2人がジプシーの野営地でジプシーたちと一緒に踊ったり、追ってきたドン・キホーテが風車に戦いを挑んで気絶し、夢の中で女神に会ったりする。
森の妖精が出てくるシーンは伝統的なコール・ド(群舞)でクラシックな雰囲気を醸し出す。キトリが自分の探す女神ではないと気づいたドン・キホーテは、自殺を演じたバジルの芝居に一役買って若い2人の結婚を手助けする。
3幕はキトリとバジルの結婚式で、様々な人たちが踊る。その中で有名なバジルとキトリのグラン・パ・ド・ドゥが踊られる。
キトリ役シオラマ・レイエスのグラン・フェッテ・アン・トゥールナンが実に見事。いわゆる32回転なのだが、ドゥーブル(2回転)が入っているのでそれ以上に回っている。白鳥の湖でも黒鳥オディールが勝ち誇ったように32回転するが、それとは全然違う雰囲気。結婚が嬉しくて、踊るのが楽しくて、という若さがあふれる踊り。そして最後は、ドン・キホーテが「わしは美しく愛しいあの人を捜しに行くぞ!」と再び旅に出て終わる。

闘牛士の後ろで踊る軍人たちには若手が起用されているらしく、将来が楽しみなダンサーが多いように感じた。
手拍子あり、指鳴らしあり、タンブリンありの本当に賑やかなバレエ。しかもダンサーたちがそれぞれ違う振り付けを踊っているのがおもしろい。一糸乱れぬ、という表現が美徳とされる群舞に対して、個性たっぷりユニークな踊り。そして体のキレがヨーロッパとは少々違うふうに感じた。もちろんヨーロッパで活躍してきてABTに来たダンサーも多いのだが、ラテン系のダンサーが多いからだろうか?それともこの雰囲気がドン・キホーテなのだろうか?
見ていてスカッとする気持ちのよい舞台だった。

踊りにはそうやって満足したものの、オケがイマイチ。東フィルってあんなもんだったっけ?
弦は籠もってるし、金管は突出しすぎだし…。打楽器が一番良かったかな。

学生席にいた男子4人の集団はどういう人たちだったのだろう(笑)10代後半か20代前半か、4人で並んで座っていたものの、だいぶ飽きていたようだった。逆に、1人で座っていた男子は明らかに何か勉強している最中のようで(姿勢からしてバレエ学習者ではないらしい)、ノートを出して見ながらいろいろと書き込んでいた。
さらに、ホスト3人組のような黒スーツ茶髪の男性グループもおり、いろいろな客層が楽しかった。私の後ろの席のおばちゃん2人はボリボリお菓子食べてるしー。映画館じゃないんだから…。

posted by あきひ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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